ガザの声を聴け! 第43回

2018年7月「なんのために苦労してきたのか」

清田明宏
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終わりなき始まりが続いている。シリアのパレスチナ難民を取り巻く政治状況はあまりに複雑で、いまだに先が読めない。社会の安定が、本当の意味でいつ取り戻せるのか、全くわからない。戦闘行為の終わりは即社会の再建ではないのだ。壊された建物の再建は社会・経済の再建の第一歩に過ぎない。いや、半歩かもしれない。

 

国際社会から忘れられつつあるシリアの内戦、その中でさらに忘れられていくパレスチナ難民。その彼らの声を伝えたい。彼らの思いを知って頂きたい。

 

我々UNRWA「ウンルワ」や国際社会に今できることは、今の活動をきちんと続けることしかない。守るべきことを守り、助けるべきことを助ける。そうしながら、大きな政治的状況の改善が来るのを待つ。それがいつになるかは正直わからない。

 

ただ、我々が諦めてしまってはいけないのだ。そうすると全てが終わってしまう。1948年の間違いを二度とおかしてはならない、と必死の決意でヤルムークの家に残った父親。その思いに応えていかなければならない。

 

今回のシリア訪問の最後にそう強く、自分に言い聞かせた。

 

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 第42回
ガザの声を聴け!

1961年福岡県生まれ。国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA=ウンルワ)の保健局長で医師。高知医科大学(現・高知大学医学部)卒業。世界保健機関(WHO)で約15年間、中東など22カ国の結核やエイズ対策に携わった。2010年から現職。中東の結核対策では、患者の服薬を直接確認する療法「DOTS」を導入し、高い治癒率を達成。その功績が認められ、第18回秩父宮妃記念結核予防国際協力功労賞を受賞した。

プロフィール

清田明宏
1961年福岡県生まれ。国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA=ウンルワ)の保健局長で医師。高知医科大学(現・高知大学医学部)卒業。世界保健機関(WHO)で約15年間、中東など22カ国の結核やエイズ対策に携わった。2010年から現職。中東の結核対策では、患者の服薬を直接確認する療法「DOTS」を導入し、高い治癒率を達成。その功績が認められ、第18回秩父宮妃記念結核予防国際協力功労賞を受賞した。
 
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2018年7月「なんのために苦労してきたのか」

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