特設エッセイ『羽生結弦は助走をしない』~羽生結弦を語り足りない~ 第8回

ついにオリンピック開幕! 団体戦初日に「やっぱり私は選手たちのガッツポーズと笑顔が好き」だと確認…

高山真
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 平昌オリンピックが開幕しました。フィギュアスケートの初日は2月9日、団体戦の男子シングルのショートプログラム、そしてペアのショートプログラムでした。

 日本と時差のない国で、午前中から競技が行われていることがやはり不思議なのですが、私としては、ただただ「時間帯の問題もあるし、スケーターたちが、いいコンディションの中で演技してくれれば」という気持ちでいました。

 競技の順序は、男子シングルからペア、という流れ。シングル、ペア、アイスダンス、すべての出場選手の中での第一滑走者は、チャ・ジュンファンでした。

 自国開催のオリンピックで、競技の幕開けを宣言するかのような、第一滑走。重圧がないはずがありません。加えてジュンファンは、ここまでかなり長い間、ケガにも苦しんでいました。

 そんな中で、トリプルアクセル(着氷時の音楽とのシンクロは本当に素晴らしかった!)を含めた、ジャンプすべてをノーミス。ケガが完全によくなったら、もともともっているスピードもさらに磨かれていくはず。それを楽しみに待ちたいと思います。アジアの逸材であることは間違いないのですから。

 そのあとに続く選手たちたちの演技を見ながら、私は、

「氷の状態が、選手たちの想定と大きく違っているのかもしれないなあ」

 と思いつつ、変な言い方かもしれませんが、

「これ、個人戦でなくてよかった」

 とも感じてしまったほどでした。

 4回転ジャンプ、あるいはトリプルアクセルのような高難度のジャンプにミスが続く、というか「続きすぎる」のです。単に緊張だけが理由とも思えないほどに……。

 選手たちにとって「いつものコンディション」で踏み切らせてくれない、着氷させてくれない。そんなイメージなのではないか、と。

 実際、この団体戦を見た村上佳菜子氏が、ワイドショーで、

「もしかしたら、(選手が想定するより)氷が柔らかかったのかもしれない」

 と推測していらしたのも、私には印象的でした。

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特設エッセイ『羽生結弦は助走をしない』~羽生結弦を語り足りない~

長年フィギュアを見続けてきた生粋のスケートファンである高山真が、 超絶マニアックな視点で語る『羽生結弦は助走をしない』(2018年1月17日発売)。まだまだ羽生のスケーティングを、そして日本フィギュアを語り尽くします!

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プロフィール

高山真
エッセイスト。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業後、出版社で編集に携わる。著書に『恋愛がらみ。不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』『愛は毒か 毒が愛か』など。
 
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