姜尚中
写真:丸谷嘉長
土いじり、野菜づくり、飼い猫と戯れる日々。
妻と二人の田舎暮らし。
時おり脳裡にこだまする、亡き母の声。
ここにいると、世界が鮮明に見えてくる──。
これまでの生活をリセットして、東京近郊の高原へと移住した姜尚中は、それをきっかけに今までとは違った眼差しで世界や同時代を眺めるようになった。慣れない土いじりや野菜づくりに精を出していると、悲喜こもごもの思い出が、やさしい風や、やわらかな雨のように心を撫でていく。今は亡き、母、父、息子、叔父、先生、親友。今なら言える。すべての愛すべき人たちの 思い出こそが私の故郷であり、私の先生であったのだと──。
初めての「田舎暮らし」エッセイという器に載せて、今までになく素直な気持ちで来し方行く末を存分に綴った、姜尚中流の”林住記”。

著者コメント

『悩む力』の刊行から早くも10年。この間、震災をはじめとして本当に様々なことが起こり、私の中でも大きな心境の変化がありました。そんな変化と現在感じている「幸せ」について、率直な思いで綴りました。

本文より抜粋

還暦を過ぎ、古希も近い歳になってから、私は、自分の心身の土台を母が形づくってくれたことを、深く体感するようになった。時にそれは、母が、私に憑依しているとしか思えないほどの生々しい感覚をともなっている。

私は今、母が身をもって示してくれた教えにならい、おのれに対しても、世間に対しても、絶妙な距離を置く場所で、白秋の終わりを過ごしている。

「人はね、裸で生まれて、裸で死んでいくと。お父さんもそうだったし、私もたい」

文字が読めなかった母が残してくれた言葉は、そして表情は、さらに言えば、彼女についてのすべての記憶は、万巻の書物以上に──ことによると、夏目漱石やマックス・ウェーバー以上に──今の私を支えている。

やがて来る冬への備えは、母にならえばいい。

(「はじめに」より)

悩む力シリーズ

悩む力
夏目漱石とマックス・ウェーバーという二人の「知の巨人」の思想を手掛かりに、悩みを手放さず、真の強さを摑み取る生き方を提唱した、累計100万部超の大ベストセラー。

ISBNコード:978-4-08-720444-5
2008年5月16日発売
本体価680円
判型 新書判
ページ数 192P
続・悩む力
「生まれ変わる」ためには何が必要なのか。
100年前の漱石の予言を手掛かりに考え抜く。
日本列島を揺るがした3・11への応答にして、現代の「幸福論」を探求したシリーズ第二弾。

ISBNコード:978-4-08-720647-0
2012年6月15日発売
本体価740円
判型 新書判
ページ数 224P

動画

イベント情報

大阪
2018年10月17日(水) 18:00〜 トーク&サイン会 OIT梅田タワーセミナー室204
東京
2018年10月23日(火) 19:00〜 サイン会 紀伊國屋書店新宿本店9階 イベントスペース
熊本 2018年10月30日(火) 17:30〜 サイン会 くまざわ書店熊本店
福岡 2018年10月31日(水) 18:30〜 サイン会 丸善博多店

イベント

①梅田イベント

撮影:集英社新書編集部
10月17日(水)の夜に紀伊國屋書店梅田本店主催で、新刊発売記念トークイベント・サイン会が行われました。
発売初日ということもあり多数の方が集まりました。
②新宿イベント

撮影:集英社新書編集部

撮影:集英社新書編集部
10月23日(火)の夜に紀伊國屋書店新宿本店にて、『母の教え 10年後の「悩む力」』発売を記念して、トークイベント・サイン会が行われました。
複数のメディアの取材が入り、会場も満員となる盛況ぶりでした。
告知
なお、10月30日(火)にはくまざわ書店熊本店において、31日(水)には丸善博多店において、サイン会が開催されます。
是非、足をお運びくださいませ。

メディア出演・書評

新聞

・「毎日新聞」10月20日朝刊に、姜尚中さんのインタビューが掲載されました。

書籍情報

基本情報

  • ISBN978-4-08-721053-8
  • 書誌情報2018年10月17日刊行
  • 本体価840円
  • 判型新書判
  • ページ数240P

目次

  • まえがき
  • 序章 「山」に棲もう
  • 第一章 空を見上げれば、いつでも
  • 第二章 人は、歩く食道である
  • 第三章 花の色
  • 第四章 我々は猫である
  • 終章 故郷について
  • あとがき

著者略歴

姜 尚中(カン サンジュン):1950年生まれ。政治学者。東京大学名誉教授。鎮西学院学院長。著書は100万部超のベストセラー『悩む力』とその続編『続・悩む力』のほか、『ナショナリズム』『日朝関係の克服』『在日』『姜尚中の政治学入門』『リーダーは 半歩前を歩け』『あなたは誰? 私はここにいる』『心の力』『悪の力』『漱石のことば』『維新の影』など多数。 小説作品に『母―オモニ―』および『心』がある。

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