いま、このコロナ禍によって、大学が本来持つ機能の中で、とりわけ重要なもの――人と人とが実際に同じ時間と場所を共有しつつ行う知の交流――が失われつつあります。
リモート授業が長期化し、キャンパス内のコミュニティの構築も難しくなっています。知の蓄積も新たな価値の創造も大きく後退しようとしている中で、改めて大学の役割が問い直されようとしています。
9月入学の議論も盛んですが、問題はそこだけにあるのではありません。このまま何も対策を講じなければ、日本の大学はますます苦境に立たされることでしょう。
コロナウィルスの感染拡大によって、日本の大学はどのような影響を受けるのか、そして真の課題はどこにあるのか。さらに今後、大学が取るべき対策について、『大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起』を上梓したオックスフォード大学の苅谷剛彦教授と東京大学の吉見俊哉教授が議論します。