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メディア出演・書評

各界の識者が絶賛!

  • ■水野和夫氏(経済学者・法政大学教授)
    『永続敗戦論』を凌駕する、緻密な分析、大胆な結論。平成最後の名著。
  • ■内田樹氏(思想家・神戸女学院大学名誉教授)
    菊と星条旗の嵌入という絶望から、希望を生みだす知性に感嘆。爽快な論考!
  • ■島薗進氏(宗教学者・東京大学名誉教授)
    鋭利な分析軸で切り拓かれた「国体論」の新地平! 対米従属からこそ見える近代日本の深層がここに。
  • ■保阪正康氏(ノンフィクション作家)
    「戦後の国体」という、斬新な視点に唸った。現代の危機の本質を明確にする、優れた一冊。

内容紹介

天皇制とアメリカの結合という、誰も書かなかった日本の深層!
戦後も、この国を縛り続ける「国体」は、我々をどこに導くのか。

目次

  • なぜいま、「国体」なのか 試し読み
  • 年 表 反復する「国体」の歴史
  • 第1章 「お言葉」は何を語ったのか
  • 第2章 国体は二度死ぬ
  • 第3章 近代国家の建設と国体の誕生 (戦前レジーム:形成期)
  • 第4章 菊と星条旗の結合 ――「戦後の国体」の起源 (戦後レジーム:形成期1)
  • 第5章 国体護持の政治神学 (戦後レジーム:形成期2)
  • 第6章 「理想の時代」とその蹉跌 (戦後レジーム:形成期3)
  • 第7章 国体の不可視化から崩壊へ (戦前レジーム:相対的安定期~崩壊期)
  • 第8章 「日本のアメリカ」 ――「戦後の国体」の終着点 (戦後レジーム:相対的安定期~崩壊期)
  • 終 章 国体の幻想とその力

著者略歴

白井 聡(しらい さとし)
政治学者。1977年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。博士(社会学)。専門は社会思想、政治学。京都精華大学人文学部専任講師。おもな著作に『永続敗戦論―戦後日本の核心』(太田出版・石橋湛山賞、角川財団学芸賞受賞)など。

『国体論 菊と星条旗』刊行にあたって 白井 聡

 もうすぐ平成時代が終わります。後世の歴史家はこの時代をどう規定するだろうか。その答えはすでに出ています。「きわめて愚かな時代」――これしかありえません。「失われた20年(否、30年)」は、ほぼ平成と重なるのですから、平成時代は丸ごと「失われた時代」なのです。
 しかも、平成が終われば「失われた時代」も自動的に終わる、などという保証はどこにもありません。日本の現状は、「極東バナナ共和国」あるいは「一等国だと思い込んでいる四等国」といった酷いものであり、現在の日本人は、言うなれば、精神的な複雑骨折の状態にあります。
 平成の終わりに加えて、日本の近代は、間もなく(2022年に)154歳を迎えます。2022年という年がなぜ重要なのでしょうか。
 周知のように、日本の近代史は、1945年という大きな転回点を持っています。その年に日本は敗戦し、それをきっかけとしていわゆる民主化改革が行なわれ、「国のかたち」が大きく変わったために、私たちはその時点から現在までを「現代」として、その時点から過去を「昔の時代」として認識しています。明治維新(1868年)から敗戦までの期間が77年。2022年を迎えると、敗戦から「現在」までがちょうど同じく77年になります。
 「現代」も随分歳月を重ねました。にもかかわらず、「現代」(それは、「戦後」と呼ばれもします)がどんな時代だったのか、私たちが持っている歴史のイメージは、あまりに貧しいのではないでしょうか。とりわけ、「戦後=平和と繁栄の時代」という華々しいイメージが維持不可能になって以降、私たちはあるべき「国のかたち」を見失い、「失われた時代」から脱出できなくなってしまったのです。
 しかし、歴史の歩みを了解することによって、このトンネルは必ず脱け出せるはずです。
 日本近代の前半につくり出され、封建社会だった日本を少なくとも外見的には列強に伍する近代国家へと成長させた装置が「国体」でした。しかしそれは進路を誤り、1945年に一度破滅します。近代後半(現代)の日本もまた、一旦は華々しい発展を経験した後、進路を誤り、破滅へと着々と向かっているように見えます。それはきっと、「国体」の二度目の茶番的な破滅なのでしょう。
 しかし私たちは、この現実に絶望するべきではありません。カール・マルクスの次のよう言葉を噛みしめながら、『国体論』を読んでいただきたいと、著者としては思います。

「ギリシアの神々は、アイスキュロスの『縛られたプロメテウス』のなかですでに一度傷つき悲劇的に死んだのであったが、ルキアノスの『対話篇』のなかでもう一度喜劇的に死なねばならなかった。なぜ歴史はこのように進行するのか? それは人類が明るく朗らかにその過去と訣別するためである。」(『ヘーゲル法哲学批判序説』より)

イベント情報

  • ★『国体論 菊と星条旗』刊行記念トークイベント
    ~日本を縛る、国体を考える~
    日時/4月19日(木)19:00~
    会場/紀伊国屋書店新宿本店
    ご予約/整理券の入手の方法をこちらでご確認ください。
    https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/20180328100009.html
  • ★白井聡『国体論―菊と星条旗』刊行記念・選書フェア
     戦前・戦後 反復する「国体」の歴史を読む。
    紀伊国屋書店新宿本店3階・人文書フロアにて4月17日(火)より開催中

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