著者インタビュー

新人漫画家への心得の書【前編】

『読者ハ読ムナ(笑)』 企画者・武者正昭氏インタビュー

武者正昭
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——企画の当初から、想定読者は「新人漫画家」に絞られていたのですね。

武者:そうですね。この本のターゲットというのは、もうすぐデビューできそうだとか、あるいはデビューしたばかりというくらいの漫画家たち。「いつか連載を持てたら良いなあ」とか、「一回は雑誌に載ったけども、その後はちょっと……」とか。そういう悩める人たちに向けた内容です。

もう本当に絞り込まれた人たちに向けて、「こういうことはよくあるものだけれども、こういう風に考えてください」と教え諭すようなつもりでまとめた本なんですね。“転ばぬ先の杖”じゃないけれども、知っておいた方が気持ちの上では安心できますよね、というつもりでつくったわけで。だから、それ以外の方々にもずいぶん広がったというのは意外でしたね。

——具体的には、どのような方から反響が多かったですか?

武者:新人に向けて書いたのに、結構ベテランの漫画家さんが感想を送ってきてくださった、ということが複数ありました。島本和彦さんなんかはTwitterでも色々と書いていましたね。「美味しいところ持って行きやがって……やられた!」みたいにね(笑)。

それに、編集者向けに書いたわけじゃないのに、編集者からもリアクションがあったりだとか。……めちゃくちゃ面映ゆいですけどね(照)。

実は、最初に相談した時は藤田さんの方が戸惑っちゃって。「巨匠と呼ぶべき数々の方々がいるのに、それを差し置いて自分がこんなのをやって良いのか」という気持ちがあったみたいですね。でも、結局はOKしてくれて。結果的には良かったと思いますね。

——タイトルも面白いです。この『読者ハ読ムナ(笑)』というタイトルは武者さんが考えられたのですか?

武者:これは藤田さんの命名ですね。幾つか案があったけど、結局これになりました。要するに、「舞台裏を見ちゃダメよ、恥ずかしい」っていう気持ちでしょうね。照れ隠し。

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『読者ハ読ムナ(笑):いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか』

プロフィール

武者正昭

1957年東京都生まれ。早稲田大学卒。1981年(株)小学館に入社。「少年サンデー」「ヤングサンデー」「ビッグコミック」「ビッグコミックスピリッツ」など、これまで編集として数多くのマンガ誌に携わり、「flowers」「Cheese!」では編集長を務めた。編集としてのキャリアは30年を超える。これまで輩出したミリオンセラー作家は、『健太やります!』の満田拓也、『行け!!南国アイスホッケー部』の久米田康治、安西信行、菊田洋之、きらたかし、なかいま強、『うしおととら』の藤田和日郎、『海猿』の小森陽一・佐藤秀峰、『娚の一生』『姉の結婚』の西炯子、『しろくまカフェ』のヒガアロハなど。2018年5月1日に、NHN comicoが運営するマンガ・ノベルアプリ「comico」の編集長に就任。

 
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