ウルトラマン不滅の10大決戦 完全解説 第9回

ウルトラマンの心情と父性があふれ出る優しい一戦

古谷敏×やくみつる

ホシノ 2021年の幕開けというわけで、この『ウルトラマン不滅の10大決戦 完全解説』を愛読してくださっているみなさんに、お年玉クイズプレゼントを実施しようと考えております。クイズといっても簡単。今回3位の発表となるわけですが、要はやくみつるが選んだ1位は何戦か――を当てるだけ。

やく 話がズレてしまうのですが。

ホシノ どうぞ、気にせずに。

やく この『不滅の10大決戦』が始まる少し前でしたか、カズレーザーがこの企画を耳にしたらしいんです。あの古谷敏さんとやくが対談するようだ、と。

ホシノ なぜにカズレーザーが?

やく クイズ仲間のネットワークのようなものがありまして、私と同年代の方に広めていただこうとお願いしました。するとすぐカズレーザーの知るところとなり、存外彼もウルトラマンのファンだったんですね。

ホシノ たまにCMなどで仮面ライダー1号、本郷猛の変身ポーズを決めたりしているので、あちらのファンだと思っていました。

やく まあ、いわゆる特撮モノ、変身モノのファンなのでしょうね。

ホシノ それで?

やく 自慢したわけですけど、そのとき、即座に私の1位を見破りましたからね、彼は。ヒントなしの一発正解回答!

ホシノ 恐るべし、カズレーザー!

やく まさかウルトラマンも守備範囲だったとは。

ホシノ じゃあ、彼には正解でよかったねの言葉を贈ることで、応募しないようにしてもらいましょう。あ、そうだ、大事なプレゼントの中身なのですけども、クイズに正解した方の中から1名様に古谷敏とやくみつるのダブルサイン入りのピ―――を差し上げます。

やく ピ―――の中身は発表しないのですか?

ホシノ はい。発表してしまうと、1位の対戦がわかっちゃうので。

やく あ、なるほど。

ホシノ 最後に締切りなど応募要領を記載しますので、ご確認ください。では、栄光のベスト3の発表!

やく 第3位は……シーボーズ。

宇宙にある「怪獣墓場」(ウルトラゾーンにある特殊空間。怪獣たちが長い眠りについている)で眠っていたシーボーズに月ロケットがぶつかり、あれよあれよと地上に落下。シーボーズからすれば、はた迷惑なハプニングだった

古谷 うん、うん。

ホシノ それではシーボーズとの戦いを振り返ってみましょう……と進行する前に、ボクもひとつだけズレてもよかですか?

やく はい、どうぞ。

ホシノ シーボーズが登場する『怪獣墓場』で、戦闘のシーン以外に印象深かったのは、なんといってもフジ・アキコ隊員の喪服姿。

やく 冒頭の法要シーンね。

ホシノ 子供の頃に観たときは、なんとも思わなかったのですが……。

やく 中年を過ぎると(笑)。

ホシノ フジ隊員を演じられた桜井浩子さんの喪服にグッときちゃって。

古谷 ハッハハハ。

やく まあ、女優さんは喪服が似合う、キレイに見える云々というのは昔から言われていますけどね。第10位のゼットンの回で観る年代によってウルトラマンの感じ方が変わるといったことを語り合いましたが、そのひとつの象徴がフジ隊員でしょう。子供の頃に観たフジ隊員は元気のよいお姉さんだったのに、20代、30代、40代と自分が歳を重ねるにつれ、だんだんとね、しみじみ変わってきますよ、受け取る印象が(笑)。

ホシノ 科特隊のフジ隊員はウルトラ警備隊の紅一点、アンヌ隊員より肉感的ではないのですが、歳を取ると、なんですか、ああいう細いスタイルの女性もまた、非常に魅惑的といいましょうか……えっと、すみません、えらい脱線しちゃいました。

古谷 ワッハハハ。

ウルトラマンとともに地球の平和を守ってきた科学特捜隊(パリに本部が置かれた国際科学警察機構の日本支部)のメンバー。<左から>ムラマツキャップ/小林昭二、イデ隊員/二瓶正也、フジ・アキコ隊員/桜井浩子、アラシ隊員/石井伊吉(現・毒蝮三太夫)、ハヤタ隊員/黒部進

やく そのフジ隊員の喪服姿なのですが、それにしても、35話目にして早くも過去の戦いを弔う展開は斬新といいますか、攻めた発想ですよね。その点に関しては、のちほど。

ホシノ わかりました。それではシーボーズとの一戦をプレイバック。

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プロフィール

古谷敏×やくみつる

 

古谷敏(ふるや さとし)
1943年、東京生まれ。俳優。1966年に『ウルトラQ』のケムール人に抜擢され、そのスタイルが評判を呼びウルトラマンのスーツアクターに。1967年には「顔の見れる役」として『ウルトラセブン』でウルトラ警備隊のアマギ隊員を好演。その後、株式会社ビンプロモーションを設立し、イベント運営に携わる。著書に『ウルトラマンになった男』(小学館)がある。

 

やくみつる(やくみつる)
1959年、東京生まれ。漫画家、好角家、日本昆虫協会副会長、珍品コレクターであり漢字博士。テレビのクイズ番組の回答者、ワイドショーのコメンテーターやエッセイストとしても活躍中。4コマ漫画の大家とも呼ばれ、その作品数の膨大さは本人も確認できず。「ユーキャン新語・流行語大賞」選考委員。小学生の頃にテレビで見て以来の筋金入りのウルトラマンファン。

 
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