プラスインタビュー

異例のヒット続出! なぜ東海テレビのドキュメンタリー映画は、何度も観たくなってしまうのか?

東海テレビ・プロデューサー 阿武野勝彦氏インタビュー

阿武野勝彦
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 東海地域の一地方局である東海テレビが、ドキュメンタリー映画で異例のヒットを続出している。2011年公開の戸塚ヨットスクールに密着した『平成ジレンマ』(齊藤潤一監督)から『ヤクザと憲法』(2015年/圡方宏史監督)、2020年1月に公開される東海テレビ内部に入り込んだ『さよならテレビ』まで、取り上げる題材にタブーはない。ドキュメンタリーの制作現場には、予算の問題など厳しい状況が続いているが、そんな中、なぜ東海テレビは優れた作品を作り続けられるのか。プロデューサーの阿武野勝彦氏にお話を伺った※( )の数字は特に断りのない限り映画公開年を表記しています。

──1月2日公開の『さよならテレビ』で東海テレビ制作の劇場公開ドキュメンタリーは12本目になります。大ヒット作となった『人生フルーツ』(17年)など、良質のドキュメンタリーをコンスタントに作ることができるのはなぜなのでしょうか?

 どうしてでしょう…。ただ、東海テレビはドキュメンタリーに対して熱のある放送局です。僕が入社したのは38年前ですけど、当時「ドキュメンタリーの東海テレビ」だとみんな言っていました。でも、局の中に入ってみると、それは自称に過ぎなくて、「ドキュメンタリーの東海テレビ」という自負なんだと思いました。芸術祭賞や日本民間放送連盟賞などたくさんの賞を獲っていましたが、それは業界内でのことで、「ドキュメンタリーの東海テレビ」と言っても、地域の人も、あまりピンとこないというのが実際でした。

阿武野勝彦氏

 それで、少なくとも地域の人には「ドキュメンタリーの東海テレビ」と思ってもらいたい、どうしたらそうなるのか、という思いが湧きました。それと、ドキュメンタリーはすごく豊かな表現世界なのに、あまり見てもらえない。テレビだと深夜枠に追いやられることが多い。そこを反転していくにはどうしたらいいんだろう、と考えてきました。

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プロフィール

阿武野勝彦

東海テレビ放送ゼネラルプロデューサー。1959年静岡県生まれ。同志社大学文学部社会学科新聞学専攻進学。1981年東海テレビ放送にアナウンサーとして入社。89年記者に異動。98年営業に異動。2002年報道制作局部長に。日本記者クラブ賞(09年)、芸術選奨文部科学大臣賞(12年)などを受賞。

 
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