教育への政治の介入~記者と教師への見えない力を暴く~

斉加尚代×平井美津子 『何が記者を殺すのか』刊行記念イベントレポート
木村元彦

いま地方発のドキュメンタリー番組が熱い。中でも、沖縄の基地問題、教科書問題、ネット上でのバッシングなどのテーマに正面から取り組み、維新旋風吹き荒れる大阪の地で孤軍奮闘しているテレビドキュメンタリストの存在が注目を集めています。
4月15日発売『何が記者を殺すのか 大阪発ドキュメンタリーの現場から』は、毎日放送の制作番組『なぜペンをとるのか』『沖縄 さまよう木霊』『教育と愛国』『バッシング』などの問題作の取材舞台裏を明かし、ヘイトやデマが飛び交う日本社会に警鐘を鳴らしつつ、深刻な危機に陥っている報道の在り方を問う一冊です。
本書の刊行を記念し、大阪の隆祥館書店では著者の斉加尚代さん、ゲストに平井美津子さんを壇上に招いたトークイベントが開催されました。
会場とオンラインで多くの著名人の顔も見受けられた注目のトークイベントの模様を、本書の企画編集協力として関わったノンフィクションライターの木村元彦さんに綴っていただきました。

 

斉加尚代さん(左)と平井美津子さん(右)

 

『何が記者を殺すのか』は、なぜ書かれたのか?

 4月17日、大阪は快晴。会場の隆祥館書店では刊行後2日ですでに100冊が売れたという。イベントも告知早々に満員御礼となり、関心の高さが伺い知れた。
 なぜ本書を企画したのかというところから書き始めたい。
 MBS映像シリーズで放送された斉加尚代のドキュメンタリー4作品を観たときの驚嘆は忘れられない。「なぜペンをとるのか」「沖縄 さまよう木霊」「教育と愛国」そして「バッシング」。3か月で1時間枠のドキュメンタリーを一本作るという、下手をすればノルマ主義に陥って乱造になりかねない短い制作期間の中で、時代に即応した作品がこれでもかという高いクオリティを発しながら、次々と発表されていた。いずれの作品からも一貫した取材哲学が見て取れた。
 時代は新聞が、テレビが、教科書が、さらには学者がデマによって攻撃にさらされていた。「沖縄の新聞では活動家が記者をしている」「米軍基地反対派が救急車を妨害した」「学び舎の教科書は反日極左」「科研費には闇がある」等々。斉加はそのフェイクの発信元に分け入り、事実を丁寧にあぶり出す。「真理こそが人を自由にする」という定理に立つならば、デマこそが人から自由を奪うからだ。
 では、辿り着いたデマの発信源や拡散元にあったものは何だったのか。「(彼らは)拍子抜けするほどに軽い調子で振る舞い、軽い言葉で自身の行動を振り返るのです」と斉加は語った。呆れるくらい無責任で薄っぺらいものが、大きな扇動に結びついていることを可視化させた。
 「(救急車が基地反対派によって)勝手にドアを開けられ、携帯で撮影しながら『誰を乗せているか?!』と無断で車内に入ろうとされました」と見て来たように発信した人物は、「(事実を)確認していないです。なので、言うなればこれは僕のたわ言になっています」
 検定を通った学び舎発行の教科書をアクティブラーニングに適しているという理由で採用した麻布中学や灘中学に「かような反日極左の教科書の採用を即刻中止することを望みます」と大量のハガキを送りつけた防府市の松浦正人市長は「学び舎? 知りません」と教科書会社の存在すら知らなかったことを認めた。その上で「圧力と受け止められる方は受け止められるかもしれませんが、それがもしそうだとしたら、ごめんなさいねって申し上げるしかないですね」と釈明する。
 国会質問で「従軍慰安婦や徴用工など、反日プロパガンダを日本の科研費で研究している人が韓国の人たちと手を組んでやっている」と発言し、ツイッターで大阪大学牟田和恵教授を名指しし、その研究を捏造とまで言い放った杉田水脈議員は、インタビュー要請に対して「科研費に詳しくないので取材は受けられない」と逃げていった。
 これら自由を取り戻すために向けたカメラが抉り取った映像はひと言で言えば、社会に残すべき事実の蓄積である。ただ時の政権与党に対する批判というドメスティックなテーマ、あるいはテレビは真実を伝えないというタブー破りを囲いつつその実、何も取材せず放送局の身の回り10メートルの話に留まっているようなあざとい作品群とは、明らかに一線を画す普遍性がある。
 社会がデマによる扇動で分断され破壊されようとするとき、それを押し留めようとする調査報道の在り方を見るにつけ、これこそ、活字でしっかりと残すべきものであると感じて、4作品を振り返り、斉加ディレクターに執筆の労をとってもらった。編集中にミャンマーやウクライナで人道を踏みにじるジェノサイドが起き、それは今も続いているが、扇動したのは、本書がまるで予見していたかのようにミャンマー政府、ロシア政府による官製のデマであった。
 いみじくも刊行トークの冒頭で斉加はこの戦争について言及した。「『何が記者を殺すのか』というタイトルは実際にミャンマーやロシアで殺されている記者がいることを考えれば、大仰しいとも考えました。確かに日本ではまだ物理的に殺害されるところまではいっていません。しかし、記者としての実際に精神が殺されようとしている現象が起きているのは事実なので思い切ってつけました」
 斉加には敏腕と言われる記者にありがちな自意識が驚くほど無い。抜いた抜かれたを争うスクープ合戦や事件のキーパーソンを囲い込んでの独占取材などにも興味を示さない。取材者が表に出ることを好まず、起きている事件を巨視的な観点から捉えて、ひたすらファクトを積み上げて問題を可視化していく。
 唯一、自身が画面に出演した作品が「バッシング」だった。差別や偏見を煽ってネットバッシングを繰り返す人物にアプローチをすれば、記者は氏名も社名も携帯番号もネット上に晒されて虚実おり交ぜた言い分で攻撃されるという事は過去の取材から経験していた。自分にもバッシングの矢が刺さる。しかし、それを映像化すればよりリアルになると考えたからである。
 事実、取材中から斉加へのバッシングは熾烈を極めた。その覚悟はどこから来ているのか? という問いに「覚悟というのは特に無いんです」と苦笑交じりで答えたあとに、ただ、と続けた。
 「それ以上に伝えたいことが目の前にあるというのが、私には強いんですね。だから空気を読まない。バッシングが来るだろうというのは分かるんですが、そのためならいいかあと考えるんです」
 だから顔も名前も晒して取材をした。
 「差別を扇動するこのような言葉をとうてい受け入れることはできないが、その背後には何があるのかと考えてしまうんですね」
 その詳細は新書プラスの連載にすでに記されているが、斉加は真実が何ひとつ無いデマを前面に押し出して、全国の弁護士に対する懲戒請求を煽り立てたヘイトブログ「余命三年時事日記」の主宰者への直当てに向かう。 
 「バッシング」は、ITエンジニアとの共同作業で「斉加」というワードを中傷するツイートの爆発的な広がりから、人工芝(草の根民意ではない人為的な意見)専用のアカウントとボット(自動投稿プログラム)の存在をあぶり出した。ツイッター解析の結果が出たのが、放送直前ということで、番組はこの事実を淡々とテロップで流した。その前後に何が起きたのか? 詳細は巻末に収録したバッシングのシナリオとともに本書をお読みいただきたい。

斉加尚代さん

バッシングに晒された平井美津子の闘い

 斉加はイベントトークの相手として平井美津子をこんなふうに紹介した。
 「平井先生もまた私がバッシングを制作していたちょうど2018年にご自身もその渦中にいたんです」
 中学の社会科教員である平井は長年に渡り、歴史の授業を通じて慰安婦問題の事実を伝え、加害も被害も含めた戦争に関するあらゆる面を生徒に教えて来た。元従軍慰安婦の金学順(キムハクスン)さんたちの証言や、日誌といった一次資料を中心に据えて自らも学び、バランスを取る意味で日本政府の見解も伝えた上で、どう考えるかを生徒に問い続ける授業をしてきた。生徒や保護者からの信頼も厚く、ともに考えるその実践的な授業を2018年に共同通信が好意的に伝えた。
 ところが、吉村大阪市長(当時)がこれを自身のツイッターで攻撃し、バッシングを煽った。
 「慰安婦問題を扱うこの教諭は、先の国会で、河野太郎外務大臣が、「史実に反する」と答弁した事実は生徒に伝えているんだろうか。歴史学者の反対の立場を生徒に伝えているんだろうか」
 間違っているのは河野太郎の方である。朝鮮近現代史を研究している立命館大学の庵逧由香教授は言う。
 「慰安所制度を軍が作ったことは、多くの公文書で立証され、日本政府も否定できない事実です」
 吉村市長こそが、学術研究を無視し史実に反することを流布拡散したのだが、このデマによる煽動で平井はネット上で集中砲火を浴び、勤務先の中学校には抗議の電話が何本も入るという事態に陥った。呼応する形で、大阪府議会で自民党や維新の議員が平井を攻撃した。
 平井を慕う生徒たちは、彼女を先生と言わずに美津子と呼ぶ。
 「私はむしろのんびり構えていたのですが、クラスの子が心配してくれて『美津子、大丈夫?』と聞いてくれました。それから校長から空き時間に毎回、呼ばれました。用も無いのに呼ばれることもありました」
 平井は校長に授業における真実をあらためて伝えた。「慰安婦」の授業は、自分の考えを押しつけるものではなく客観的な資料を使ってやっていること。慰安婦だった方から証言を直接訊いており、教科書にも載っていること。決して指導要領を逸脱した内容ではないこと。
 「子どもたちに、日本は戦争の被害者だということだけが知らされて育っていったら、どうなりますか。将来、近隣諸国の人たちとどうつきあっていけますか」
 校長はここで平井教諭の授業は偏向していないと教育委員会に毅然として言うべきであった。市長が新聞記事をネタに教育現場を恫喝してくる方がおかしいと表明して、この実践的な授業を守るべきであった。それは平井ひとりを守るだけではなく、不当な圧力から学問を守ることに繋がる。
 しかし、行われたのは真逆のことだった。管理職側は「もう慰安婦の授業はしないように」と迫った。平井は屈しなかった。
 「私がそれをしてしまったら、これまで学んで来た自分の学問、そして教えて来た子どもたちを裏切ることになります」
 標的にした人間に反日というラベルを貼って、専用アプリを使って大量に拡散する、あるいは影響のある政治家が、人物を特定して晒す。そこに真実は必要無く、後にその虚偽が問われることも無く、吹かれた犬笛によって扇動された人の群れに狙われた記者や教師は一方的に叩かれていく。
 デマを撒く側からすれば、真実を追求する学問は邪魔になる。イベントの後半は教科書、すなわち斉加の言うところの子どもにとって最初に手にする学術書に対する政治の攻撃について語られた。
 このジャンルの専門家である平井がその変遷を語り、問題のポイントを端的に話す。
 かつて東京教育大学教授の家永三郎は「教科書検定制度は国家による学問の検閲である」と裁判を起こしたが、現在はその検定を通った教科書でさえ、政府の閣議決定によって内容を書き換えることができるという異常な事態になっている。学問が政権によって支配されて戦争に突き進んだミャンマーやロシアと同じ水域に入ったとの指摘がなされた。

平井美津子さん

山崎雅弘、庵逧由香、久保敬、西郷孝彦、水道博士がコメント

 では、危険水域に入るはるか以前、第二次大戦の敗戦直後の日本の教科書はどうであったのか?  5月15日に上梓予定の『未完の敗戦』の著者・山崎雅弘はリモート参加で、「1945年の敗戦の翌年のこと、当時の文部省に主権はなかったので、教科書はGHQの検閲下で書かれたものでしたが、最初に出された『新教育指針』の中で書かれていることは、今の社会問題にぴったり合うんです」と語り、こんな興味深い文章を紹介してくれた。
 「愛国という問題に関しては、「およそ民族として、自信を抱き国民として祖国を愛するのは自然の人情であり、少しも咎めるべきことではない。しかし、そのために他の民族を軽んじたり、他の国民を自分に従わせようとするのは正しいことではない。日本国民はこうした態度のために、かえって世界の同情を失い、国際的に一人ぼっちになった、これが、戦争の原因であり、敗戦の原因でもあったのである」
 76年前のこの知見から、教科書はどれだけ遠い所に来てしまったのか。

山崎雅弘さん(右端)もリモート参加でコメント

 先述した庵逧由香教授からのメッセージも紹介された。庵逧は高校歴史教科書の執筆者である。
 「実は、私も杉田水脈議員に『こんな反日研究者が科研費をもらっていいのか』と名指しされたことがあります。それは私の研究というよりも、私が「強制動員真相究明ネットワーク」という朝鮮人強制連行の全国組織の共同代表だからです。ですから、『何が記者を殺すのか』の内容は他人事ではなく、あっという間に読んでしまいました。 また、アジア史研究者としては恐らく初めて、日本史の教科書執筆にも加わりました。昨今、新聞などで取り上げられているように、“政府見解”を教科書に盛り込むことが教科書検定で求められていることも実際に経験しました。(中略)歴史教科書は特に、研究蓄積があり実証された「通説」を書くことが徹底して求められています。検定過程では、具体的な根拠資料を求められることも多々あります。ですが、その例外が「政府見解」です。公表された政府見解には、実証的な根拠は書かれていません」
 政府の見解は学術的な裏付けが無くとも書くことを強いられるという、いわば学者にとって屈辱とも言える状況である。
 続いて、一参加者として来場していた中学校校長が登壇した。コロナ禍において突然一斉オンライン学習を推し進めたことで学校現場を混乱させた松井一郎大阪市長に対し、その教育施策を批判した『提言書』を送った大阪市立木川南小学校の久保敬校長である。
 「大阪市が急に宣言したオンライン授業については、元々10年来オンライン授業をやってきたモデル校16校はできたようでしたが、あとの414校は、ついていけなかったんです。つまり大阪市のたった3%の学校だけしかできていなかった。松井市長はきっとどんな突飛な宣言をしても学校からは黙して何も言って来ないだろう、と安易に進めたのだと思います。突然、前触れも無くオンラインをやると言って、教育委員会から通達がきたときには、困惑している教師や子どもたちを目の前にして、私も最初は酒場でくだを巻いているだけでした。しかし、このまま何にもしないで教師をやめたら死ぬときに絶対後悔すると思ったんです。私は『おかしいことには声をあげよう』と子どもたちにも教えていた。それで提言書を出しました」
 後に大阪市立港中の名田正廣校長がとりまとめて市教委に送った教育関係者や保護者による255人の意見書は大阪市の公開文書として閲覧可能であり、それを見れば明らかであるが、決して久保校長は自分の学校だけの状況を見て提言書をまとめたわけではない。しかし、これに対して大阪市教委は「(久保校長は)他校の状況を把握せずに独自の意見で市全体の学校が混乱していると断言し、市教委の対応に懸念を生じさせた」として、文書訓告という処分を課したのである。
 「後悔はしていません。むしろやらなかったら、僕はこれまで自分を育ててくれた子どもたちや親御さんに、嘘をついていたことになる」

久保敬さん

 現役校長のあとは、元校長。生徒を管理する校則を無くすことで荒れていた学校を立て直した世田谷区立桜丘中学前校長、西郷孝彦が東京から参加していた。「西郷先生なら、どうやって平井先生を守りますか」という問いにマイクを握った。
 「僕は校長としてすべての先生を守るわけじゃない、人権侵害とか、良くないことをした先生は守らない。でも間違ったことをしていない先生は、守らなきゃいけない。柳に風とやるだろうね。僕はそもそも教育委からの通達を読まない。価値感をたったひとつに決められる『道徳』の授業なんて必要ないと思う。大切なのは子どもたちが考える力を養う授業。これは本当なのか、フェイクなのか。僕は生徒に何のために勉強するの?と聞かれると、大人になって騙されないためにだよ、と答えている」
 安易に扇動に乗せられない情報リテラシーを養うことの大切さを述べた。

西郷孝彦さん

 最後にサプライズ的に登場したのが、浅草キッドの水道橋博士だった。博士は『青春と読書』で本書の書評を書いているのだ。テーマ的に重かった空気を芸人らしく、つかみのくすぐりであっという間に笑いに変えると、
 「今、蔓延している学術に対する非知性主義的価値観は一体なんでしょう。教育とか、リベラルアーツのようなものを作るのには時間がかかる。労力がいる。でもそれがデマで壊されるのは一瞬です。この本を読むのだって僕は何日かかったか。それは斉加さんが書いていることを全部、僕もウラをとったからです。政治家も作家も何の根拠も無いことを言い続ける人たちだらけの中で、書評だってそれだけ一生懸命やらないといけないと考えています。この本も映画も応援しています」
 そして自著にも触れた。
 「『藝人春秋』という本には『ニュース女子』のプロデユーサーで、大阪を壊そうとしている人のことを書いています。ぜひ多くの大阪の人に読んで頂きたい。僕は(会長が在日コリアンへのヘイト発言を続ける健康食品販売会社)DHCも批判しているので、もう地上波の番組も失いました。でも止めません」

(左から)隆祥館書店の二村知子さん、水道橋博士さん、斉加さん、平井さん

 イベントの最後に、平井はなぜ斉加が監督をした映画「教育と愛国」の追加撮影を受けようとしたのかを語った。あれだけのバッシングを受けながら、顔も名前をスクリーンにさらすことは、さらに酷い攻撃を受けることが十分予想されたが、それでもなぜ出演を決意したのか。 
 「またややこしいことになるかもしれんのにと言う人もいました。でも理由があります。私がバッシングを受けているときに学校に脅迫状が来ました。それで生徒たちが楽しみにしていた京都への校外学習が中止になったんです。私が心を痛めたのはそちらの方です。自分が更迭されるよりもそれが苦しかった。それで全校保護者会が行われたときに斉加さんが、取材を抜きにして来てくれた。私を支えようとずっと学校の暗闇の中で立ち続けていてくれたんです。私だけではない。斉加さんは大阪の教師と子どもを20年間ずっと守って来てくれた。それが私が映画の出演を決めた大きな理由です」
 『何が記者を殺すのか』刊行イベントは、言われのないバッシングがいかにして行われるのか、本書に沿ってそのメカニズムが腑分けされたが、結果的にそれだけでなく、そのバッシングに決して服さなかった当事者たちの言葉を聞く大きな機会となった。■

撮影/李信恵
構成/木村元彦

 

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プロフィール

木村元彦
1962年愛知県生まれ。中央大学文学部卒業。ノンフィクションライター、ビデオジャーナリスト。東欧やアジアの民族問題を中心に取材、執筆活動を続ける。著書に『橋を架ける者たち』『終わらぬ民族浄化』(集英社新書)『オシムの言葉』(2005年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞作品)、『争うは本意ならねど』(集英社インターナショナル、2012年度日本サッカー本大賞)等。新刊は『コソボ 苦闘する親米国家』(集英社インターナショナル)。
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