そうした3人の素晴らしさに、メディアはもっとフォーカスをあててほしい。そう強く願うばかりです。
もちろん日本人選手だけでなく、多くの選手がマックスに近い演技を披露してくれた、すさまじいばかりの大会でした。こんな試合を見ることができて、観客として、ただただ幸せです。
3月23日は競技の最終日、アイスダンスのフリーダンス、そして男子シングルのフリーです。すべての選手たちが、すべてを出し尽くしにくることでしょう。
うまくいく選手もいるでしょう。もちろん、うまくいかない選手もいることでしょう。しかし、客席から見ているだけでノドの奥に何かがこみあげてくるほどの緊張感の中で、どの選手も「すべてを出し尽くそう」と必死に自分と戦っていることだけは確かです。私はこれからも、そんな選手たちの意志、志を何よりもリスペクトしていきたいと思っているのです。
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『羽生結弦は助走をしない』に続き、羽生結弦とフィギュアスケートの世界を語り尽くす『羽生結弦は捧げていく』。本コラムでは『羽生結弦は捧げていく』でも書き切れなかったエッセイをお届けする。
プロフィール
高山真
エッセイスト。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業後、出版社で編集に携わる。著書に『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』『恋愛がらみ。不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』『愛は毒か 毒が愛か』など。