特設エッセイ 羽生結弦は捧げていく 第9回

アイスダンスと女子フリーの熱戦から、男子フリーを想う―― 『羽生結弦は捧げていく』高山真が見た世界選手権3日目

高山真
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 フィギュアスケート世界選手権、3日目(3月22日)はアイスダンスのリズムダンス(RD)と女子シングルのフリーがおこなわれました。

 フィギュアスケートはすべての競技が大好きな私ですが、アイスダンスの選手たちのエッジワークは、もう見ているだけで夢心地です。それぞれの選手のエッジの深さ! ビックリするくらい深くエッジを倒しているのに、転ばないどころか、ほんの少しもバランスを崩すことなく、それどころかどんどんスピードアップしていくのです。

 加えて、ふたりの足元の距離の近さ! ふたりのうち、どちらかひとりが、0.1秒でも足運びのタイミングがズレてしまったら、あるいは、どちらかの出す足の位置がほんの3センチでもズレてしまったら、ふたりの足がぶつかって転倒してしまうのです。そんな緻密なエッジワークを全編にわたって繰り広げるのが、アイスダンスです。

 選手の足元の動きを(つまり、選手が氷の上に複雑な図形<フィギュア>をなめらかに描き続けるのを)見るのが何よりも好きな私にとって、アイスダンスは至福の競技なのです。

 今回のRD、最終滑走者のガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン(日本のファンには「パパシゼ」の愛称でおなじみです)の出番までに、80点を超えてきた組が7組も出ました。エッジの深さ、スピード、なめらかさ、ふたりの足元の近さ……、どの組も甲乙つけがたいほど素晴らしく、

「さすがのパパシゼも、この中でいい演技をするのは大変かも」

 と感じるほどでした。

 そしてパパシゼの演技が終わった後、私は自分の不明を恥じるばかりとなります。

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特設エッセイ 羽生結弦は捧げていく

『羽生結弦は助走をしない』に続き、羽生結弦とフィギュアスケートの世界を語り尽くす『羽生結弦は捧げていく』。本コラムでは『羽生結弦は捧げていく』でも書き切れなかったエッセイをお届けする。

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プロフィール

高山真

エッセイスト。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業後、出版社で編集に携わる。著書に『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』『恋愛がらみ。不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』『愛は毒か 毒が愛か』など。

 
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アイスダンスと女子フリーの熱戦から、男子フリーを想う―― 『羽生結弦は捧げていく』高山真が見た世界選手権3日目