公式ウェアの着崩しで大バッシングを浴びたバンクーバー五輪から8年、世界的なプロスノーボーダーとなった國母和宏。振り返れば幼少期からずっと、彼は世界を相手にひとりで戦ってきた。
そんな思いが結実した個人DVD(シグニチャームービー)『神風 KAMIKAZU』が、いよいよ発売を迎える。作品に込められた、譲れない思いとは。
ヨーロッパは北米に殴り込み
──11月に初めてとなる個人のDVD『神風 KAMIKAZU』(税込み3500円)を出されるんですよね。
國母 業界では個人の作品のことを「シグニチャームービー」って呼ぶんですけど、スノーボードの歴史の中でも、個人で30分から40分のフルムービーをつくったことがあるライダーは数えるくらいしかいません。1シーズンを通して1本の作品をつくったんですけど、今回も完全に1人ではなくて、10人ぐらいのライダーに出演してもらっている。でも、そのライダーも自分で集めました。カメラマンもこれまでに一緒にやってきたやつを呼んで、やっとこういうことができるようになった、という感じですね。
──要するに監督のような立場でもあるということですね。タイトルには、どのような意味が込められているんでしょう。
國母 スノーボードの業界自体、ヨーロッパとか北米が中心なんで、日本人が中心でムービーをつくるなんてことはまずなかった。そういう世界で昔から一人でずっと戦ってきたというプライドがあったし、殴り込みをかけるような気持ちが強かったので、ぴったりかなと。
プロフィール
1988年生まれ、北海道石狩市出身。4歳からスノーボードを始め、2003年、わずか14歳でUSオープンの表彰台に立つ。06年トリノ、10年バンクーバーと2度の五輪出場経験を持つ日本スノーボード界の第一人者。16年に最も権威のあるコンクール「RIDERS POLL 18」で「年間ベストビデオパート賞」を受賞。