ピョンチャン五輪でのメダル争いが記憶に新しい、スノーボード。日本選手の活躍に熱狂する傍ら、会場に響く音楽や選手たちの個性的なファッションにふと独特な「文化」を感じることはなかっただろうか。
國母和宏は、そんなスノーボード界における世界的ライダーで……。しかも、スノーボーダーとして最も真面目な男の一人だ。腰パンは、決して怠惰ではない。その「生き様」としてのスノボに迫る。
稼げるのようになって変わったのは漫画の大人買い
──下世話な話で恐縮ですが、競技の世界と映像の世界は、どちらの方がお金を稼げるんでしょうか。
國母 昔はムービーだったけど、今はどうかな。ただ、本当に小さな世界なので、3000万以上稼ごうと思ったら、世界のトップ10には入ってないとダメでしょうね。コンテストの賞金も、でっかい大会でも優勝賞金は200万とかですから。そういう大会は年5回くらいしかない。競技者としてやっていくにしても、賞金プラス、メーカーから契約金とかもらわないとやっていけない。
──國母さんのように映像メインのボーダーは、DVDの売り上げが主になるわけですか。
國母 いや、DVDの売り上げは自分には入ってこない。メーカーと契約して、そのお金で生活してます。自分は広告塔ですね。アディダスのものを身に着けて、ムービーを撮影して、それを見たお客さんがアディダスのものを買ってくれればいい。映像のための費用はメーカーが出してくれます。
──自分の口では言いにくいかもしれませんが、國母さんは世界のベスト10の中の何位くらいなんでしょうか。
國母 5位くらいかな。
プロフィール
1988年生まれ、北海道石狩市出身。4歳からスノーボードを始め、2003年、わずか14歳でUSオープンの表彰台に立つ。06年トリノ、10年バンクーバーと2度の五輪出場経験を持つ日本スノーボード界の第一人者。16年に最も権威のあるコンクール「RIDERS POLL 18」で「年間ベストビデオパート賞」を受賞。