「それから」の大阪 第16回

エメラルドグリーンの車で麺を届ける「太陽製麺所」

スズキナオ

大阪の町を歩いていて、やけに目立つ車を見かけることがある。エメラルドグリーンの車体の側面に白く大きな「麺」の一文字。

最初に見かけた時は「あの車、なんだったんだろう……」とぼんやり思うことしかできなかったが、二度三度と目にするうちにいよいよ気になってきて、それが「太陽製麺所」という製麺会社の配送車であることを知った。

鮮やかなグリーンが目立つ太陽製麺所の配送車(2021年11月撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

企業のホームページ上の記載によれば、大阪市中央区難波に本社があり、近畿一円を配送エリアにしているそうで、なるほど大阪市内でその車をよく見るわけである。ちなみに私の友人には太陽製麺所の配送車の熱心なファンまでいて、市販のミニカーを自ら塗装して忠実に再現するほどだ。

友人が自作した太陽製麺所の配送車(2021年11月撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、これは極端な例としても、大阪に住む人に「ああ、あの目立つ車ね」と広く認識されていることは間違いないだろう。

その太陽製麺所、今年5月には東京都大田区に拠点を置く丸山製麺と連携し、有名ラーメン店のラーメンを販売する冷凍自販機サービス「ヌードルツアーズ」の自販機を大阪で初めて設置して注目を集めたり、TwitterやInstagramといったSNSを活用して積極的に企業情報をPRしたりと、色々と新しい試みを始めているように見えた。

大阪でも最大規模のシェアを誇るという企業の内部にどんな動きが起きているのか気になった私は、取材を申し込むことにした。

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 第15回
「それから」の大阪

2014年から大阪に移住したライターが、「コロナ後」の大阪の町を歩き、考える。「密」だからこそ魅力的だった大阪の町は、変わってしまうのか。それとも、変わらないのか──。

プロフィール

スズキナオ

1979年東京生まれ、大阪在住のフリーライター。WEBサイト『デイリーポータルZ』『QJWeb』『よみタイ』などを中心に執筆中。テクノバンド「チミドロ」のメンバーで、大阪・西九条のミニコミ書店「シカク」の広報担当も務める。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)、『酒ともやしと横になる私』(シカク出版)、パリッコとの共著に『のみタイム』(スタンド・ブックス)、『酒の穴』(シカク出版)、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)、『“よむ”お酒』(イースト・プレス)がある。

 
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エメラルドグリーンの車で麺を届ける「太陽製麺所」