高山真と申します。2019年も、この集英社新書のサイトでフィギュアスケートのことを書いていく機会を頂戴しました。
2月15日に出版させていただく新著『羽生結弦は捧げていく』に、ページ数や締め切り日の都合でどうしても入れられなかったことを中心に、フィギュアスケートの素晴らしさを皆様と分かち合っていければと思っています。よろしくお願いいたします。
今年のヨーロッパ選手権で、ひとりの素晴らしい男子スケーターが現役生活に幕を下ろしました。スペインのハビエル・フェルナンデスです。
2015年、2016年の世界選手権で優勝、平昌オリンピックでは銅メダルに輝いた、押しも押されもせぬスペインの至宝です。
好きなプログラムも本当に多いのですが、ショートプログラム、フリーそれぞれひとつずつ挙げるなら……。
ショートプログラムは、2017年世界選手権(Javier Fernandez 2017 Worlds SP)の『マラゲーニャ』。フリーは、フランク・シナトラの『Guys And Dolls』に乗せた2016年世界選手権(2016 Worlds FS)の見事な演技もいまだに何度も見ているのですが、平昌のフリー(2018 Olympics FS)の『ラ・マンチャの男』になるでしょうか。これは「幸運にもオリンピックの会場で観ることができて、その素晴らしさを体感できたこと」が理由のひとつでもあると思っています。
『羽生結弦は助走をしない』に続き、羽生結弦とフィギュアスケートの世界を語り尽くす『羽生結弦は捧げていく』。本コラムでは『羽生結弦は捧げていく』でも書き切れなかったエッセイをお届けする。
プロフィール
エッセイスト。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業後、出版社で編集に携わる。著書に『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』『恋愛がらみ。不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』『愛は毒か 毒が愛か』など。