安倍政治 ファクトチェックPlus 選挙直前連載! 第四回

Check 4  菅義偉官房長官

(2019年3月13日午後の記者会見)

南 彰 × 望月衣塑子
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昨年2018年12月に刊行された『安倍政治 100のファクトチェック』は、朝日新聞でいち早く「ファクトチェック」に取り組んできた南彰と、官房長官会見等で政権を厳しく追及する東京新聞の望月衣塑子がタッグを組み、日本の政治を対象に、何がフェイクなのかを明らかにした本格的ファクトチェック本。

刊行前後から今にいたるまでも政権与党の周囲では検証されるべき発言が相次いでいるため、ここに連載として最新のファクトチェックをお届けします。本書と合わせて日本政治の今を考える一助としていただければ幸いです。


【ファクトチェック】
首相、閣僚、与野党議員、官僚らが国会などで行った発言について、各種資料から事実関係を確認し、正しいかどうかを評価するもの。トランプ政権下の米国メディアで盛んになった、ジャーナリズムの新しい手法。

 

Check 4 菅義偉官房長官(2019年3月13日午後の記者会見)

記者 (宮古島のミサイル要塞化の)関連で。大型のミサイルの弾薬庫が置かれる予定のある保良地区という場所には、すぐそばに178世帯が住む集落もあります。沖縄戦での生々しい惨状を記憶している島民も多く、ミサイル要塞化で島で再び標的とされる、要塞化は本土を守っても自分たちは守られないのではないかと不安を(取材に)打ち明けていました。政府の受けとめをお聞かせください。

菅義偉官房長官 地元での了解をもってそうしたものを、自衛隊関係がそうしたことをつくられるんじゃないでしょうか。それはあくまでも地元の了解を得ての話じゃないでしょうか

 

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宮古島市では弾薬庫を「保良鉱山」に置くことの了解が全く得られていない。

 宮古島市では下地敏彦市長が、地対艦・地対空誘導弾などを保管する3つの弾薬庫を採石場の「保良鉱山」に置くことの説明を住民に全くしていないまま、事実上容認する形になっている。2017年9月に保良鉱山が候補地となっていることが報道されて以降、保良鉱山の周辺にある保良・七又自治会では、弾薬庫配備の反対決議が相次いで出され、地元での了解は全く得られていない。

 弾薬庫の新設が予定されている保良鉱山の周辺には集落が迫り、一番近い民家で弾薬庫までの距離は約200メートル。周辺には、保良自治会と七又自治会を併せて、計211世帯、346人が住むが、地元住民には、弾薬庫が置かれる検討がされていたことは全く知らされておらず、2017年9月に沖縄県の地元紙「沖縄タイムス」の報道で、「保良鉱山」が、弾薬庫や射撃訓練場の候補地になっていることが初めて住民に知らされた。

 防衛省は、保良鉱山に計約1600平方メートルとなる3棟の弾薬庫を造り、地対艦・地対空誘導弾や迫撃砲弾などを保管し、9100平方メートルに及ぶ射撃訓練場なども建設する予定だが、保良自治会では、報道から3ケ月後の2017年12月に、七又自治会では、2018年10月にそれぞれ弾薬庫配備に反対の決議を出しており、地元住民の反発は続いている。

 両自治会に沖縄防衛局が初めて説明会を開いたのは、2018年2月。説明会で、防衛局職員は「弾薬は絶対爆発しないので大丈夫」と安全性を何度も強調したが、住民は「人がやることで『安全』と言われても、間違いは必ずある」と追及、「万が一、爆発したら防衛省はどうするのか」と尋ねると、防衛局職員は「仮定のことには答えられない」と繰り返すのみだった。

 説明会では、射撃訓練場の弾が、訓練場外に出ることを心配する声も相次いだが、防衛局職員は「建物で厳重に保護され、弾が外に出ることはありえない」と強調。しかし、肝心の保管する弾薬量などは明かさず、弾薬の洗浄水などによる地下水や海の汚染対策についても「法に基づき処理する」とだけ繰り返した。(望月)

 


『安倍政治  100のファクトチェック』

 


『権力と新聞の大問題』

 選挙直前連載! 第三回
選挙直前連載! 第五回 
安倍政治 ファクトチェックPlus

昨年2018年12月に刊行された『安倍政治 100のファクトチェック』は、朝日新聞でいち早く「ファクトチェック」に取り組んできた南彰と、官房長官会見等で政権を厳しく追及する東京新聞の望月衣塑子がタッグを組み、日本の政治を対象に、何が「嘘」で、何がフェイクなのかを明らかにした本格的ファクトチェック本。 刊行前後から今にいたるまでも政権与党の周囲では検証されるべき発言が相次いでいるため、ここに連載として最新のファクトチェックをお届け。本書と合わせて日本政治の今を考える一助としていただければ幸いです。

プロフィール

南 彰 × 望月衣塑子

 

南 彰(みなみ・あきら)
1979年生まれ。2008年から朝日新聞東京政治部、大阪社会部で政治取材を担当。政治家らの発言のファクトチェックに取り組む。2018年秋より新聞労連に出向し、中央執行委員長をつとめる。 著書に『報道事変 なぜこの国では自由に質問できなくなったか』(朝日新書)

望月衣塑子(もちづき・いそこ)
1975年生まれ。東京新聞社会部記者。2017年、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞。著書に『新聞記者』(角川新書)等。共著にマーティン・ファクラー氏との『権力と新聞の大問題』(集英社新書)、前川喜平氏、マーティン・ファクラー氏との『同調圧力』(角川新書)等がある。『新聞記者』を原案とした映画「新聞記者」も全国劇場で大ヒット公開中。https://shimbunkisha.jp/

 
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