──サーフィンとかスケートボードもそうですけど、カウンターカルチャーと呼ばれる競技は、やはり独特ですよね。
國母 俺のスポンサーのアディダスも、スポーツラインの商品には三角形っぽいロゴ(スポーツパフォーマンスロゴ)を使って、スノーボードの商品には昔の三つ葉マークのロゴを使ってる。スノーボードはカルチャーのカテゴリーに入ってるんです。ただ、スノーボードがオリンピック競技になった時点で、いろんな人がスポーツとして観るようになったから、なおさら理解できないと思う。スノーボーダーって、アスリートじゃない面が80%くらいあると思うんです。特にムービーは競技というより、アートに近いかな。
──ムービーというと、アラスカやカナダの大自然の中、切り立った崖の上から滑り落ちるようなシーンが思い浮かびます。むしろ、冒険じゃないですか。
國母 あれって、絵を描く感覚に近いと思うんですよ。斜面は白いキャンバスみたいなもので、どこにどんな技を入れて、どういうルートで滑り降りてくるかにボーダーの感性が表れる。その「絵」で、カッコいいなって思わせなければいけない。それができるボーダーは、一握りしかいない。
取材・構成/中村計 撮影/工藤了
協力/PRESSCAFE
【第2回】は10月25日に掲載予定です
プロフィール
國母和宏
1988年生まれ、北海道石狩市出身。4歳からスノーボードを始め、2003年、わずか14歳でUSオープンの表彰台に立つ。06年トリノ、10年バンクーバーと2度の五輪出場経験を持つ日本スノーボード界の第一人者。16年に最も権威のあるコンクール「RIDERS POLL 18」で「年間ベストビデオパート賞」を受賞。