特設エッセイ 羽生結弦は捧げていく 第18回

NHK杯の名演技と、羽生結弦の『春よ、来い』に感じた「世代をつなぐバトン」

高山真
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 スケートカナダやNHK杯のプレスカンファレンスでも、羽生は若手選手への言及をしています。すでにオリンピックを二連覇しているレジェンドスケーターですから、それも当然といえば当然なのですが、スケートカナダで、「ユヅルが自分についてポジティブなことを語っている」とわかった瞬間の、カムデン・プルキネン(アメリカ)のうれしそうな表情といったら!

 今回のNHK杯でも、開幕直前のプレカンで、山本、島田に対する言葉を紡いでいた羽生。その言葉はもちろんですが、競技そのもので、エキシビションのプログラムで、言葉以上に伝えたいものがあるのでは……と、新しい『春よ、来い』を見ながら感じていました。

 羽生自身が、エフゲニー・プルシェンコやジョニー・ウィアーから受け取ったバトン。そのバトンを、現役選手としての鍛錬を続けながら、下の世代に渡していく。「現役生活を続けている」という姿勢そのもので、何かを渡そうとしている……。そんな印象を強く抱いた演技でした。

 

 幸運にも現地で観戦できたNHK杯。このグランプリシリーズで好成績をおさめた選手たちは、プランプリファイナルへと歩を進めます。そして、それぞれの国内選手権、世界選手権へとドラマは続きます。

 観客としては、素晴らしい演技の前に、ただただ、全選手の健康を祈るばかりです。素晴らしい演技は何よりも「健康」がベースにあるものなのですから。

 

 

 

 

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特設エッセイ 羽生結弦は捧げていく

『羽生結弦は助走をしない』に続き、羽生結弦とフィギュアスケートの世界を語り尽くす『羽生結弦は捧げていく』。本コラムでは『羽生結弦は捧げていく』でも書き切れなかったエッセイをお届けする。

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プロフィール

高山真

エッセイスト。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業後、出版社で編集に携わる。著書に『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』『恋愛がらみ。不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』『愛は毒か 毒が愛か』など。

 
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