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理想の教育へのビジョンとロードマップ

『「学校」をつくり直す』著者インタビュー

苫野一徳
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本書『「学校」をつくり直す』(河出新書)は50年先の、「新しい普通の学校」をつくってしまおうという、実に思い切ったことを始めた教育学者による画期的な学校教育論である。

 

『「学校」をつくり直す』 苫野一徳著、河出新書 (840円+税)

著者の苫野一徳氏は『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)などで知られる教育哲学の専門家(熊本大学教育学部准教授)だが、2020年4月に開校予定の幼小中混在校「軽井沢風越(かざこし)学園」の創立スタッフ(準備財団理事)の一人でもある。

それにしても、教育学の中でも最も理論的な教育哲学の研究者が、どうして学校づくりに乗りだしたのか?

「もうそろそろ、本気で学校システムを変えていく時期だと思ったのです。幸運にも、その思いを共有できる、尊敬できる仲間たちと出会えたことで、学校づくりに参画することになりました。

今の学校制度は近代ヨーロッパで誕生して以来、同質で均一な労働力の育成という目的のもとで150年間機能してきました。しかし、今や制度疲労を起こしているのは明らかです。不登校、いじめ、落ちこぼれなど現代の教育問題の多くは、学校というシステムの制度疲労から生みだされています」

学校の制度疲労とは、たとえば「みんなで同じことを、同じペースで、同年齢から成る学級の中で、教科ごとの出来合いの答えを一斉に勉強させる」システムが限界を迎えている(本書第1章)ということだ。

「このシステムを従来のまま続けていくことは、子どもたちにとってよいことではないし、社会にとっても決していいことではない。ならば変えるべきだし、変えなければならないと考えています」

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プロフィール

苫野一徳

哲学者・教育学者。熊本大学教育学部准教授。1980年兵庫県生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程修了。2020年4月に開校予定の軽井沢風越学園では理事を務める。著書に『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)、『教育の力』(講談社現代新書)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマ―新書)、『ほんとうの道徳』(トランスビュー)、『愛』(講談社現代新書)など多数。

 
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