特設エッセイ 羽生結弦は捧げていく 第14回

『24時間テレビ』の羽生結弦の演技に感じた「今シーズンの希望」

高山真
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〇非常にスピードのある、たっぷりとった助走から、距離となめらかさ、そして見事に体勢を保持したハイドロブレーディング。この助走の長さで、「今回、羽生結弦がもっとも見せたかったのは、このハイドロブレーディングなのでは」と感じました。

 

〇ムーヴズ・イン・ザ・フィールドにおける、羽生のトレードマークともいえる、レイバックイナバウアー。ここはイナバウアーの入りが上半身メインで映されていたので推測で語ることをお許しいただきたいのですが……。

「レイバックの体勢に入ってから、エッジを深くすることで、やや直線的に入ったイナバウアーの軌道に、より深いカーブがかかる」

 というトレースを見せてくれているような……。

 そして最後、「ムーヴズ・イン・ザ・フィールドからフライングシットスピン、そしてアップライトスピンへの移行の組み合わせ」。私が思い出していたのは、ミシェル・クワンでした。

 私に「シングルのスケーターにとっての『エフォートレス・スケーティング』とは、なんぞや」をこれ以上ないほど強烈に教えてくれたレジェンドスケーターのひとりであるクワン。彼女の2001年世界選手権のフリー(Michelle Kwan 2001 Worlds FS)の素晴らしいフィナーレも同時に思い出していたのです(クワンは、キャッチフットのスパイラルからバレエジャンプをはさんでイーグル、そしてフライングシットスピンからアップライトスピンに移行していました)。

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 第13回
特設エッセイ 羽生結弦は捧げていく

『羽生結弦は助走をしない』に続き、羽生結弦とフィギュアスケートの世界を語り尽くす『羽生結弦は捧げていく』。本コラムでは『羽生結弦は捧げていく』でも書き切れなかったエッセイをお届けする。

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プロフィール

高山真

エッセイスト。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業後、出版社で編集に携わる。著書に『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』『恋愛がらみ。不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』『愛は毒か 毒が愛か』など。

 
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『24時間テレビ』の羽生結弦の演技に感じた「今シーズンの希望」