ウーマンラッシュアワー村本の「考える人」 第3回

「権力を疑う」のがジャーナリズム。 報道も芸人も「無難」じゃツマラナイ!

田原総一朗×村本大輔

プラス:NHKも含めて、最近のメディアの報道を見ていると、例えば政府の会見などで、誰もが「おいおい、それ、本気で言ってるのかよ?」とツッコミたくなる話でさえ、淡々と「政府の見解」として報じる傾向が強まっているように思えます。特に選挙期間中の報道は「記事やニュースの中に出てくる候補の名前の回数が同じじゃなきゃいけない」とか、「顔写真の大きさや顔の向きが同じじゃなきゃいけない」……とか、「公正な報道」の考え方が形骸化、硬直化している気がするのですが、田原さんはどう思われますか?

田原:僕は日本には言論・表現の自由があるんだから何やってもいいんだと言っていて、それでスタッフさんに非常に苦労かけていることはよく知っています(笑)。ただ、今言われたような「突っ込むべきところも突っ込まない」という今のメディアの報道姿勢は、ほとんどが自主規制ですね。あれは会社の上のほうから圧力がかかっているのであって、政府からの弾圧ではない。その証拠に、僕はこれまで総理大臣を3人も失脚させてるけど、一度も逮捕されてないもの(笑)。

選挙報道について僕が気をつけるのは、機会の平等です。全党平等に出すけれども、与党だけじゃなく、野党に対しても問題点、疑問点はガンガン突っ込む。その結果、野党が僕の番組に出て損したということも、けっこうある。そういう意味では機会の平等はつくるけども、遠慮はしないのが僕のやり方です。ところが、多くのメディアが無難にいきたい、問題起こしたくないと思っているんだろうね。僕なんかはむしろ、問題起こすのが面白いと思ってるんだけど(笑)。

村本:ちなみに田原さんは「愛国者」ですか。

田原:「愛国者」かどうかは知らないけど、この国が良くなればいいと思っている。では、良くなるためにはどうすればいいか。例えば、僕は軍事力を強めることでこの国は良くはならないと思っているから、憲法9条の改正には反対。

村本:田原さんはなぜ、そう思うんですか?

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ウーマンラッシュアワー村本の「考える人」

お笑い芸人・ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏が、毎回、有名・無名のゲストを迎えて、政治・経済、思想・哲学、愛、人生の怒り・悲しみ・幸せ・悩み…いろいろなことを「なんでそんなことになってるの?」「変えるためにはどうしたらいいの?」とひたすら考えまくる連載。

プロフィール

田原総一朗×村本大輔

 

田原総一朗

1934年、滋賀県彦根市生まれ 早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所 テレビ東京を経て、77年にフリーに。現在は政治・経済・メディア・コンピューター等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。テレビ朝日系で87年より『朝まで生テレビ』、89年より2010年3月まで『サンデープロジェクト』に出演。テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞した。2010年4月よりBS朝日にて「激論!クロスファイア」開始。02年4月より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講、未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたる。05年4月より17年3月まで早稲田大学特命教授。著書に『日本の戦争』(小学館)、『塀の上を走れ』(講談社)『AIで私の仕事はなくなりますか?』(講談社+α新書)他多数。

村本大輔

1980年、福井県おおい町生まれ。小浜水産高校中退後、NSC入学、2000年デビュー。2008年に中川パラダイスとウーマンラッシュアワーを結成。2013年、THE MANZAI 優勝。昨年末のTHE MANZAI で、原発・沖縄・東京オリンピック・熊本地震などをテーマにしたネタが話題になり、以後、災害被災地や沖縄をはじめ全国で独演会を開催。今年のTHE MANZAIでも政治ネタを取り上げ注目を集めた。

 

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「権力を疑う」のがジャーナリズム。 報道も芸人も「無難」じゃツマラナイ!