ウーマンラッシュアワー村本の「考える人」 Round2-1

狩猟を通して見えた「生きる」ということのリアル

幡野広志×村本大輔
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ウーマンラッシュアワー村本の「考える人」、2人目のゲストは、2017年末に余命3年のがんと宣告された写真家の幡野広志さん。幡野さんは以前、狩猟もされていたこともあり、今回は生きることと死ぬこと、命をいただくこと…などなどをテーマに考えていければ、ということで、早速スタート!

 

プラス:今回、村本さんが幡野さんを対談相手に指名された理由は?

村本:実は以前、親しい友人から「写真家の人ですごく面白い人がいるから会って欲しいんだよ」って、言われてたんですよ。ただ、最近、いろいろな人から「この人、面白いから会ってみれば?」って言われることが多いんですけど、その時に、自分の「直感」みたいなモノが動かないと、その気にならなくて……。

それがこの前、ツイッターのタイムラインの中に幡野さんのツイートが上がってきて、その中の幡野さんの「言葉」というか、優しい文章に興味持って。そしたら「あ、そういや、あの友人が言ってたのはこの人か!」と繋がったんです。ところで、幡野さんは、今おいくつですか?

幡野:36歳です。

村本:カメラはいつから始めたんですか?

幡野:18歳ですね。僕が18の時に父親ががんで亡くなったんですけど、遺品にカメラがあって、それで使い始めたのがきっかけです。

 

村本:でも、カメラがあったからといって、写真を始めるとは限らないでしょう?

幡野:たぶん趣味がなかったからでしょうね。好きなこととか何もなくて、それで何となく始めた……という。ほら、写真始めるって、ちょっとおしゃれな感じしません(笑)?

村本:いや、僕、2年前ぐらいに初めてパリにひとりで行って、その時、秋元康さんに「村本君、どうせだったら写真を撮りなさい」と言われたのでカメラ買ったんです。で、撮ろうとしたんだけど、その瞬間に「すごいウソくさい、これはダメだ」と思って、結局、2カ月間、1枚も撮れなかったんです。

幡野:それはいい話ですね。

村本:でも、幡野さんの写真見たら違うんですよ。感じるんです。ちょっと時間が止まるし、優しいなと思って。ああいう写真は、おしゃれなだけじゃ、続けられないと思う。

幡野:おしゃれなだけじゃ、無理ですね(笑)。で、村本さんが撮ろうと思ったときに「ダメだ、ウソくさい」と感じて撮れなかったのは、それが「いいな!」って本当に思ってなかったからだと思いますよ。僕も自分が「いいな」と思ったもの以外は撮らないです。

「いいな」って思うのは、感動したときなんです。感動って別に「わあ、すごい」とかじゃなくて、おいしい料理が出てきても感動するし、きれいな景色を見たって感動するし、僕は1年前まで狩猟やっていて、メス鹿を獲ったんです。メス鹿って、冬の時期は妊娠していて、お腹捌いていると胎児が出てくるんです。「ハラコ」っていうんですけど、そういうのを見ても感動する。たぶん、知らないことを知ったときに、人って感動するんですよ。写真は、そういう「撮る人」の感動を精密に写して誰かに伝えることができる。

村本:でも、実は今、感じるとか、感動ってものを、多くの人が忘れかけている気がするんです。日々のルーティーンになっちゃってる暮らしの中で。

幡野:忘れてるのか、気付かないのかも。

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 第4回
Round2-2 
ウーマンラッシュアワー村本の「考える人」

お笑い芸人・ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏が、毎回、有名・無名のゲストを迎えて、政治・経済、思想・哲学、愛、人生の怒り・悲しみ・幸せ・悩み…いろいろなことを「なんでそんなことになってるの?」「変えるためにはどうしたらいいの?」とひたすら考えまくる連載。

プロフィール

幡野広志×村本大輔

幡野広志

1983年、東京生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事、「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。2011年、独立し結婚する。2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。2016年に長男が誕生。2017年多発性骨髄腫を発病し、現在に至る。著書『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)。作品集『写真集』(ほぼ日)。

村本大輔

1980年、福井県おおい町生まれ。小浜水産高校中退後、NSC入学、2000年デビュー。2008年に中川パラダイスとウーマンラッシュアワーを結成。2013年、THE MANZAI 優勝。昨年末のTHE MANZAI で、原発・沖縄・東京オリンピック・熊本地震などをテーマにしたネタが話題になり、以後、災害被災地や沖縄をはじめ全国で独演会を開催。今年のTHE MANZAIでも政治ネタを取り上げ注目を集めた。

 

 
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